日曜日の恋衣 

青春期にあった恋愛のお話し
恋愛小説のブログです。
非現実の世界で生きるねこの
おはなし

日曜日の恋衣 5-2

僕とtiねこは、よくある合コンのような
サークルのような曖昧な処で出逢った。
出逢ったというわけでなく、僕が君を見つけたのだ。。
片隅に座っている君は、そこだけがほわっと明るくて
ほっと出来たんだ。一目で君を意識して、連絡先を
強引に友達から聞き出したんだ。
いきなり連絡した時は、君は僕の名前すら知らないから
何とか次の日曜日にデートに誘えた時は、本当に天にも
昇る心地だったんだ。。
駅に着いたとき、君が笑ってくれて本当に嬉しくて
どこでも連れていきたいと思ったのは本当に今もそうだな。
毎日曜日にいろんな場所で君をいろいろな角度から見ていられた
あのころを今頃大切に思うなんて、僕はとんでもない
偽善者かもしれないな。。
あいつに君を奪われたのはこれが初めてじゃない。初めて君と
過ごしたいと願った夏。どうしてあの時も、今も、君のことを
強引に奪えないのだろうか、この抗えない力はなんだろう。。
「syu」と君が呼ぶたび、笑うことが僕の幸せだからだ。。
決して、あいつのせいじゃないんだ。


この恋の物語は、tiねこだから成り立つんだろう。
君はあの夏、どうして僕からあいつにいったんだ。そして今も
僕はどうしても背徳の君たちを許すことはないだろう。


「日曜日には電話して」と君はさっき言っていたが、そんなこと
君は言わないさ、本当に昔の君なら
「syu、連れて行って。」というはずだからだ。
心変わりした君を責めるつもりはない。
3年前、帰国した際、僕は君たちが、結婚まであと少しだと知っていた。
君に駅で再会したのも、次会った時に、PCに、スマホにロックしているのに
プログラムをして、自分のPCで読み解いて、連絡を操作する事なんて、僕には
出来る事だからだ。
「日曜日に、会いに行くよ。tiねこさん。渡したいものが
あるんだ。ブルーの、君が言っていたものさ、見つけたよ。待って
いてくれよ。」とあいつが送ったメッセージと数件のあいつからの着信
を消してその前に僕がプロポーズしたからだ。その日は、僕が予約した
夜景のきれいな海の見える場所に君を連れて行ったさ。ありったけの気持ちを
ぶつけたことは真実だが。君が先輩を断ったのだ、知らない君が。。。
。君にひんやり冷たいダイヤのリングを、小さな箱に入れて渡したんだ。
「syu。大事にするね。。」と瞳を潤ませて笑った君は、何も知らなかったんだから。。
知らない君とあいつの間に僕は、あの夏とはちがう関係で君を奪えたのだ。
僕は、君といなくても、それなりに女性に困ることもなかったが、そうでは
ないのだ。女性というのと、君がいる、笑ってくれることは別次元だから。。
僕だけはいつも君を安心させる何かを持っていて、それを君は感じ取って
いてくれたんだろうか。自由を手にした僕は、プライドもあった
し、一度いいと思うとずっと手放すことができない性分で、そういう
ことには気がつかない君が好きなのだ。
だから、背徳な中にいても、君は変わらず僕と博己の天使のままさ。




日曜日の恋衣 5-1 ~僕が君に出来ること~

こんなにきれいな空は何年ぶりだろう。。
紫色の筋が雲の水平線にくっきりと見えている。
今頃、あの二人きっと。僕といるより君はきっと
あいつと居たいんだろうな。
でも、それでもいいさ。
技術部門では、今後海外へそして世界に通用する
そういう日本の技術が重要だ。昔から海外渉外に
飛び回って、そんな家庭にいた僕は帰国子女として
日本では大学から生活することになった。
語学には長けていて、海外育ちで、それなりに
自分の力やいろいろなことには自信があった。


僕は、新田柊。国際線の窓から、日本の夕日を
見ている。海外なんて何回も何回も繰り返しの
作業だ。僕は、君を、博己を置いてサンディエゴに
赴任する。たった、一年。そう、一年は長いんだ。。
僕は君が好きなんだ。。迎えにいくさ、望むなら。。


本当は、君について来てくれと言いたかったよ。
でも、君の苦しむ姿をもう見たくないんだよ、tiねこ。。


学生の頃、まだ幼い君と僕が重ねてきた年月は誰も奪えないと
信じていた。くるくると日曜日に僕の瞳の中で踊る君はとても
チャーミングでそして優しかった。時間が憎いほど。




日曜日の恋衣 4-4 

「syu再婚したらしいぞ。。」
航先輩が頬を紅潮させてそう話し出した。
翌年の春過ぎのことだった。
「モデルみたいな美女らしい。」
「じゃあ、博己はどうなるんでしょう。」
「それは僕たちの問題だから、あいつには関係ない。」
と静かに見つめている。
「君には君にしかない良さがあるし、気にしないことだよ」
そういうと夕食を終えて書斎へと航先輩が戻っていく。
たいてい仕事が済んでも、うちでも仕事に関係する学問を
時間に関係なくいつもしているイメージだ。時々日曜には
出かけることはある。そんな時は、いつもと変わらず優しくて
たいていなんでも好きなものを買ってくれていた。
そして
「誕生日は何がいいかな?優羽菜の。もうすぐ一歳だよ。」
ベビーカーにいる優羽菜をみて航先輩が聞いてくれていた。
「優羽菜はまだわからないわよ。。」
「そうだな。(笑)」
こんな何気ない日曜日が来るなんて、航先輩と最初に初めて会った時は
予想はしなかったけど、あの時のままの優しいさらさらしているこの生活
は大好きだ。
いろいろなことがあって、大変な時も自分を包んでくれた。そんな航先輩
は自分にとって、一生忘れない恋の相手に他ならない。


 ~完~