日曜日の恋衣 

青春期にあった恋愛のお話し
恋愛小説のブログです。
非現実の世界で生きるねこの
おはなし

 日曜日の恋衣 の新着ブログ記事

  • 日曜日の恋衣  完結

    この物語は近所のねこを見ながら 考えていました。白いねこと黒いねこ が楽しそうにいつも帰宅するといましたので(笑) 実在する人物こそいませんが、恋愛して会話の断片や 出逢えた人のかけらを集めてみました。これでいろんな 想いを浄化できたと思っています。 有難う、 そしてさよなら。また、思いつける可愛... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 5-4

    僕のことを少し話そうと思う。両親は生粋の 日本人で父は神奈川県の鎌倉生まれで母は東京生まれだ、。 二人は横浜にある国立大学で出会い結婚した。父は商社 の渉外部署部門でほぼ海外で生活する仕事人生を送った。 僕には兄がいて、山の手の大手弁護士事務所で勤務して いる。頼もしい兄だが、一見とっつきにくく目... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 5-3

    博己が生まれて君にはとても感謝しきれなかった。 そんなに強くもない体で必死についてきてくれたんだ。 君の作るものはなんでも美味しかったし、仕事も 人生も充実していた。君と博己のことを考えて 渉外から本社に願いを出したのも後悔はしてはいなかった が。。。僕にはやはり世界を飛び回り自分の持っている力で... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 5-2

    僕とtiねこは、よくある合コンのような サークルのような曖昧な処で出逢った。 出逢ったというわけでなく、僕が君を見つけたのだ。。 片隅に座っている君は、そこだけがほわっと明るくて ほっと出来たんだ。一目で君を意識して、連絡先を 強引に友達から聞き出したんだ。 いきなり連絡した時は、君は僕の名前すら... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 5-1 ~僕が君に出来ること~

    こんなにきれいな空は何年ぶりだろう。。 紫色の筋が雲の水平線にくっきりと見えている。 今頃、あの二人きっと。僕といるより君はきっと あいつと居たいんだろうな。 でも、それでもいいさ。 技術部門では、今後海外へそして世界に通用する そういう日本の技術が重要だ。昔から海外渉外に 飛び回って、そんな家庭... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 4-4 

    「syu再婚したらしいぞ。。」 航先輩が頬を紅潮させてそう話し出した。 翌年の春過ぎのことだった。 「モデルみたいな美女らしい。」 「じゃあ、博己はどうなるんでしょう。」 「それは僕たちの問題だから、あいつには関係ない。」 と静かに見つめている。 「君には君にしかない良さがあるし、気にしないことだ... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 4-3

    それからは航さん。。航先輩の方が馴染んでいるので 航先輩でいいかもしれない。。 どんどん航先輩が好きになっていった。最初は 一緒に生活すること、特に博己と生まれてくる子供 がいる中では大変だった、。それでも先輩は、深く そして静かに判断した結果に満足していたし、何より tiねこが傍にいる事が嬉しく... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 4-2

    無事に出産するころには、日野市の実家も 落ち着きを取り戻していた。親戚も関東一円 にはいたのだが、事情が事情なので再婚したと だけ、母は説明することにしたらしかった。 「幸野さん、苦労していていい人じゃない。」 「博己も分け隔てなく自分の子供にするなんて 出来ることじゃないぞ、感謝しなさい」と父は... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 4-1 ~もう一つの恋衣~

    その日、日野市のtiねこの実家は 大荒れ模様だった。母は困惑し、父は激怒した。 「じゃあ、知っていたんだね。」と父は母に 強い口調で攻めた。 「きちんとしてから嫁がせないとこんなことに なるのね。。」母も後悔の色を隠せない。 「syu君はアメリカだろう、博己はどうするんだ、 鎌倉の方にも顔向けでき... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-9

    ある昼下がりのことだ。その日は学会で 夕方から地方へ行くことになっていた。 久しぶりに自由な時間が数時間 取れたのだ。 近くのカフェでも食事に行くか。と行き つけのカフェの戸を開けた。 少し間を開けて席のある空間は 一人の女性と僕のために予約されているかの ようだった。tiねこさんがいたのだ。 す... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-8

    花の森に引っ越した後に親父が まひるが来るから会うようにと連絡を 寄こすようになった。 「研修や勤務で忙しい」 と逃げていたが、とうとうまひるの両親と も会食すらする事になりもうどうやら逃げら れないと観念した。 tiねこさんは、あれからsyuと交際をし無事に 結婚し一児の母になるそうだから、もう... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-7

    東京に戻った僕が真っ先に向かったのは tiねこさんの住む家だった。心底憔悴しきって いた。彼女は相変わらず自炊をしていて、ほと んどのものが手作りで彼女の優しい味がした のだ。何も知らない君は、僕を見ていつもみたいに 笑ったし、疲れている僕を癒してくれた。それだけ でも十分なのに、寝顔の君はそれ以... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-6

    そんな時だ。京都から連絡があり 母が倒れたのだ。まひるが連絡してくれた 頃には、かなり悪化し手遅れだというしかない 状態だった。脳梗塞だ。絶望的な事態と親父の悲 しそうな疲れた顔はずいぶん年老いて見えた。 「なあ、航。。」 「どうしたんだ。教えてくれよ、家族だろ。」 「母さん、お前とまひるさんがず... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-5

    その後も彼女は僕の直ぐ傍にいて 満足したように楽しそうな毎日を 過ごしていた。 僕もtiねこの全てが好きだったし、そして たまに彼女と過ごせる日曜日があって こそここまで来れたのだ。 彼女には柔らかな羽根が背中に撞いている のだ。泣いたり笑ったり忙しかった君の事 を僕の一部にしてしまいたかった。 ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-4

    大学での3年目の夏が来た。 試験を終えるまでではなく、これから 何年もかけて、今後ずっと学問をし続ける のだ。経験としてのバイトも今年の秋までと 心に決めていた。当然の事だ。 そんな夏の日。確か僕の誕生日だ。 「航にしか頼めないのよ。。」 カフェを経営する従妹からSNSがあり 急遽、人手の窮乏する... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-3

    そんな関係に異変が起きたのが それから2か月後の事だ。経済学部も 集まりに参加する機会が増えてきた。 大学では看板学部ではあるが、医学部のように 別格扱いはされず、大学生活を送れる。 その中にいたのが、新田だ。 新田は、一学年下の経済学部だ。仲間を巻き込んで いつも大騒ぎしていた。僕とtiねこさん... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-2

    彼女に会ったのは、学外での活動での 事だった。たまたま食事の席で前に座って いた。ごく普通の会話の中で、とても穏やかな 性格に育っていること、東京のベットタウン出身 で、都内有名私立女子大の2年生だとわかった。 tiねこさんは、僕の前に座ると 「これ食べれますか?」 tiねこさんが懇願したように小... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3-1 ~背中に翼のあるねこ~

    今朝も日差しが心地良い。。 大学の正門から入り、何気なく見渡す この景色が、僕の6年間の居場所となるのだ。 京都からは、駅のホームまでまひるが来ていた。 まひるは幼馴染で僕の事が気になるらしい。。 医学部受験までは我ながら死にそうな位、勉強と 塾そして高校生活に忙殺された。 医師になる事は、一介の... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-14

    博己は鎌倉のsyuの実家にお泊り にいっていて、明日の朝、お義父さんが 車で連れてきてくれることになっていた。 「tiねこさんも荷造りやなんかで 疲れているだろうし、鎌倉から小一時間 だ。ぐずったら連絡するけど、安心して 成田に行きなさい」とゆったりとお義父さん が気をきかせてくれる。 syuの一... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 2-13

    成田空港まではなんと航先輩の車で 高速で出かけた。 「syu。いつ帰国するんだ?」 「一年はかかるSioプロジェクト の一環なんだよ、先輩」 「へえ、すごいじゃないか。あの開発が 日本に託されれば将来のSioは明るいな。」 「さすが。懐ひろいのは昔からですね。」 「syuが出国すると聞いてtiねこ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-12

    「tiねこ、これさー」 syuが昔からあるものを片付けている。 「こっちにおくのか?」 syuはサンデイエゴに単身赴任する。 「うん、たすかるー。syu。ちょっと 休憩しないのー」 物置からsyuが笑顔で出てくる。 「博己のベビーベットがあったよ、 なつかしいよな。。」 syuが一年いなくなると思... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 2-11

    嫌いになる。。という言葉が効いたのか 航先輩から、連絡はなかった。ほっとした。 土曜の深夜や日曜は、航先輩と逢瀬を重ねていた 際に、よく一緒にいた時間帯だ。 その時間帯を、航先輩が選んできたのは、なんとなく 思い出として記憶の中の時間と一致させるのに 有効だった。学生のころ、syuと別れても一緒に... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-10

    その夜はきっと寝付かれないと思ったので バスタブにアロマを数滴いれて、その香りを かいで癒された。すこしは違うのだ。 ミストナノケアでリセットしたり、いろいろと 忙しいのだ。syuはそしていつも優しく笑って 残った仕事を片づけている。 あの時から体形や外見はあまり変わら なかったのかもしれない。 ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-9

    駅までお義母さんを車で見送りに行く。 ドライブのすきな博己はわくわくして 窓を覗き、外への思いをめぐらせているようだ。 「困ったことがあったら連絡頂戴。syuに も伝えておいて。そしてまたこちらにも 来なさいね。。」そう微笑む。 「そうか、帰ったのか、疲れただろ。」 帰宅してsyuは、夕飯を口に運... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-8

    花の森の隣町には 美術館を併設した図書館があり その日はそこに行く予定だったが 航先輩と会い、その後ネイルサロンに 先に寄ったので、既に夕方近かった。。 ネイルでは、ハンドフルコースにしたので 一時間半近く過ごした、うっかりうとうと してしまった。 「お疲れですね。。」 「そうね。。」 ネイルはパ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-7

    航先輩がいなくなったあとも カフェでは、コーヒーを淹れる 音が静かに時間の中に溶け込んでいて とても癒される空間だった。 tiねこは、食すのがとても遅い。 昔からそうで気にしているところなの だ。航先輩は食事を済ませ、言いたいことを 述べて出て行ったが、まだデザートと お代わりのホットコーヒーが残... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 2-6

    森の近く。。 花の森が近づくにつれ動悸がして とても耐えられない。 図書館は花の森の次の駅にある。 途中の住宅街にあるとは思えない おしゃれそうなカフェで一休み することにした。 sense et sensu 白木を基調として明るいカフェで 人気がある。 花の森にも近いが、tiねこの マンションの... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-5

    クリスタルのねこは相変わらず 光って綺麗に輝いた、それを 見た博己が、瞳を細めてこっちを 向いて笑っている。。 syuと自分の分身。。 それが、hirokiなのだ。。 航先輩がそうしたいというなら それは引き受けようと思う。 ただあくまで聞いたのはsyu サイドのお話しで、航先輩の真意 はどうなの... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-4

    花の森は、このマンションから 30分ほど車で距離はあるが 同じ区内だ。。東京は広く 人口も多いので、会うことも ないと思う。 そっとしておこう。。 違う意味では、懐かしい気持ちも しなくもないがそれ以上のことは 考えるのは体に良くないだろう。。 幸野航。。 幸せの野原にわたる。。 なんていい名前な... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-3

    tiねこは自分のPCを開く。 花の森病院 内科。。。 内科は診療時間外になっている。 担当医の説明をみて、絶句した。。 担当医は平日に3名。それぞれ 午前午後のローテーション。。 今日は木曜日。。午後の担当医は 幸野航。。。 「syu。。」 「航先輩に診てもらったの。。??」 なぜsyuが航先輩の... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-2

    syuは、時間の不規則な部署か ら会社の基幹的なシステム管理 部署に移って、すっかりパパの顔だ。 役職という程でないが、チームのリーダ 補な地位に昇っていた。すごいことだと 思う。 「ただいま。」 博己を抱きかかえて、syuが帰宅した。 「風邪とおなかを壊しているみたいだったよ。 薬がでてる。。」... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2-1 ~すべてはあかね色の空に~

    syuと結婚。 そして、博己の誕生。。 今思えば奇跡のような出来事 だった。。 博己が満一歳の誕生日の日だった。 突然、博己が高熱に苦しみだした。。 「大変。。」 tiねこは、車のキーと博己をかかえ 緊急病院へナビをセットした。 そこへ、syuがプレゼントとケーキ を抱えて帰宅した。 「どうしたの... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 43 おわりには

    syuとの子供は、男の子だった。 tiねこはまたいろいろな病気を罹患してはいけない とsyuが用心していて、子供はたぶん一人だろう。。 「新田さん」病院でそう呼ばれると、くすぐったい 気持ちになる。 syuと決めたのは、名前が最初かもしれないね。 「逆転成功よね。」 ならと 「新田 博己だ。。」 ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 42

    「今日は、日曜日でしょ。」 「平日は、仕事だからだよな。」 syuは、じっとこっちをみている。 「航先輩に言ったよ」 やっぱり、syuが好きなこと、会いたい と思うこと、航先輩とは違う感情がある 唯一のひとが、syuなのだ。 「別れたのか??」 頷く。。 そして、目を細めて昔のようにsyuは笑う。... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 41

    次の日曜日にsyuから連絡あり 車で迎えに来てくれることに なった。 「実家が鎌倉にあるんだ」 「そうだったね」 syuは長く海外生活を繰り返しては いたが、ルーツは鎌倉なのだ。 その日は、世田谷にあるレストラン で昼食をとることになった。 「それでさ。。」 話をきいて、呆然とした。 今回は一時帰... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 40

    そうはいってみても 早い段階からsyuとあのころ に戻ることは、たやすくないと わかっていた。 syuのいない2年間は、航先輩と の逢瀬が週末の予定だった。 あれから全面的に信頼をしていたし これからもその信頼関係はつづくと 思うからだ。 信頼と恋愛を間違えていないかと 再度思い返す。。 syuは... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 39

    帰り道は短くて10分なんて あっという間に過ぎた。 「ついた。。懐かしいなー」 syuが笑う。 「コートありがとう」 syuにコートを返す。。 「帰国してたんだ。。元気にして たんだね。よかった。」 「今度一緒に行きたいところが あるんだ。」 とりあえず、今日は帰ってもらい またいろいろ話をしてみ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 38

    3月の日曜日だった。 ちょっと駅前という格好だったので 「どこかはいろうよ」 とsyuは言ったけど、状況がうまく のみこめない、、。 幸い部屋もきれいに掃除してあった し、ちょうど作った夕飯もある。 「駅前に明日のパンをね、買いに 来てたのよ。。お風呂もはいったところ。」 とかろうじて言えた。 「... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 37

    syuと再会したのは それから3年後だった。 syuは一度海外部門にいたが 日本に異動申請して帰国していた。 それは航先輩から聞くのと、ねことも からも連絡があった。 tiねこは就職して、また同じ下宿 から通勤していた。 毎日同じことの繰り返しでも 社会で働けることは楽しかった。 学生時代なら、い... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 36

    syuには残酷なことをして しまったかもしれないけど これでよかったと思う。 航先輩は、将来医師になるような ひとだ。経済観念もしっかりして いるし、経済力もある。 人柄もいい。 ただ、少し不可解なところ もあるのだ。 tiねこの行動を予測できすぎると いう点では、不気味ですらあった。 最初からそ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 35

    なんていい夢だったんだろう。 syuがそばにずっといる、。 そんな夢・・・ 「tiねこさん、もう12月だね」 航先輩の優しい声がする。 ゆっくりうなずく自分をもうひとり の自分が見つめている。 昨夜の夢は、幸福そのもので いつか自分が望んでいたことなのだ。 syuは海外就職して 日本から出国してい... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 34

    朝起きると、syuがいた。 「おはよう、昨日は。。」 そうして何かを渡そうと していた。 「これだけ持っていて」 クリスタルの置物 だった。ねこの可愛い きれいなクリスタル。。 「tiねこと会えないときの、僕の お守りだったんだよ」 syuは目を細めて笑う。 この人を好きになってほんとに よかった... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 33

    鎌倉からの帰りのドライブは 突然雨が降り出した。 二人のこれからみたいで 悲しかった。 「そんなに悲しそうな顔するなよ」 syuはそういうけど 自分だってハンドルを握る手が 悲しく震えてる。 「手が震えてるよ」 「気のせいさ」 お互いの体が震えるような さみしさは初めてで悲しかった。 syuが大好... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 32

    日曜日にsyuと会うと 駅まで車で来るという。 会わない間に免許をとり 運転できるようにしたそうだ。 心地よく車が走り出す。 今日自分が行きたいところへ 一緒に行きたいとsyuが笑う。 細くなる瞳の中にいる自分 がいた。 ついたのは夕焼けの似合う 鎌倉の海だった。 きれいな場所で日本での syuの... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 31

    航先輩も学部から試験過程にすすむ ころになると、たまにしか会いに来ない 日が多くなった。難しい試験なのでしばり ついているらしい。 syuは語学がたけているのと、日本での風土も やはり合わないことから、海外での就職を決めていた。 連絡はしなくても、よく遭遇することがこのころから また増えた気がする... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 30

    その日は航先輩とずっと 部屋で過ごした。 おなかもすいたので tiねこの冷蔵庫にあった ご飯などで、ジャンバラヤ を作り、 この料理は、デニーズで覚えた のをレシピを調ておいたのだ。 食欲はなかったが、航先輩は きっと空腹になっていたと思うから だった。 この前運んでくれた時に間取りなどは 覚えて... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 29

    syuの見慣れた背中が遠くなる。 悲しさとやるせなさが湧き出る前に 航先輩が、そっと腕をかしてくれる。 「今日は検査も結果も受け止めれたの?」 「はい。」 「大丈夫だから、そばにいるよ。」 「syuがいなくなりました。」 「僕が別れてほしかったからだよ、 tiねこさん。」 「また明日ってsyuはい... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 28

    でも航先輩に会いたかったのは そうだったので そのとき航先輩が好きだったのか もしれない。 会いたいと思える のはとても幸せだ。 「私、航先輩が好きかもしれない。」 とsyuにいう自分がいた。 「。。」 「自分でも残酷なことだと 思うけど。先輩も会いにきて くれたし。」 「わかった。」 とsyuは... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 27

    syuも夕方心配して駆けつけて くれたみたいで、そこに航先輩 と鉢合わせた形になった。 思うのは、現実に向き合い進んで いるのは、航先輩との関係のように 思えた。 syuは、容姿も性格もいい。 でもなんとなく本心で自分と向き あってくれてないとも思う。 今思うと幼さゆえの 猜疑心だけが先走っていた... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 26

    「航先輩。。」 と声がした。 「syu。。」 航先輩が顔をあげると 「別れてくれないか・・」 と、syuを見据えて言った。 「。。。」 syuは自分もtiねこの心配をして いること、日曜日は必ず会っていて 帰りも下宿まで送ること、そして何 より割り込まないでほしいことなどを 静かに震えた声で話して... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 25

    航先輩に会いたい。。と思った。 下宿に帰って、冷凍庫を開ける。 そこにはシフォンケーキはもうない のだ。 連絡はしたものの 航先輩はでなかった。 しばらくして 「tiねこさん」 と声がした。。 もしかして。。。 下を窓から見ると。そこに 航先輩がいたのだ。 すこしして 下に降りると、航先輩が真っ白... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 24

    ふと思う。 来年の七夕には先輩に 小さなものとかプレゼント しょう。 もちろん覚えていたらだし その時にはもう今みたいに 関係性がないかもしれないけれど。 日曜日 syuがおもむろにいった。 「内科いったほうがいいよ?呼吸苦し くなるのって心臓かもしれないから、念のため。」 「そんな。。にわかる?... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 23

    暫く放心状態だったけど 何とか持ち直した。。 バナナをストンストンと 切るうちに、今日は先輩の くれたシフォンケーキも 添えてみようと思った。 アイスラテも自分で煎れられる。 「えー、ないない。」 tiねこはねこともにSNSで相談した。 「ない?って??」 「航先輩結構お茶のひとだから。」 「なる... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 22

    ねこともの力もありsyuとの 距離もどんどん近づいてきて いた。夏も半分がきて、夏祭り が待っていた。神宮の花火や TDLに二人でいくことは前々から の約束だった。 試験後、二週間後に、航先輩から 朝に連絡があった。tiねこの元気? のことを思っていたっていう連絡 意味が解らない。。 もう暴露した... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 21

    syuとの無事な再会をして 帰宅してすぐねこともに連絡 した。航先輩の事。ねことも は、tiねこのことを心配してくれ 先輩に事情を聞く前に、syuに悩ん でることを教えたらしい。。。 もちろん先輩のことは、好きらしい けれど。それよりもtiねこの異常な 苦しみ方が見ていられないという。。 そんな苦... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 20

    syuは、総合大学の経済学部 で航先輩は、キャンパスの 場所は違うけど、医学部だ そうだ。 その日は、話足りないくらい 話して笑ったよね。 今も横にsyuがいたら ずっとあのままでいられたら 幸せだったのかな。 その日は日曜日で、真夏の日差し が降り注ぐ。急いで逃げたのは 映画館とカフェだった。 ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 19

    「知ってるよ。」 徐にsyuが口を閉じながら そういった。 先輩と時々二人でいること 個人的に連絡したり、相談?し たりしていることをねこともが 教えてくれたという。 「不可抗力なのよ」 そう説明した。いま好きな人は syuだし、先輩とは偶然会うこと が多くなったこと。 あとはそのまま話せなかった... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 18

    恋愛は自由なのだ。 そしてはかない。 今ならわかることも あのときは残酷にも わからないまま時が いたずらに過ぎていった。 日曜にsyuと会えた。 何時もと変わらない 笑顔のなかにすこし 曇った自分がsyuの瞳 にうつるたび苦しくなった。 先輩とあうことも電話 することもやめようと思った。 電話と... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 17

    何時間眠ったんだろう。 気がつくと辺りは真っ暗な夜に なっていた。 デスクライトをつけた。 レポートらしい紙に 携帯番号があった。 航先輩… 素直になりたい。 ふっと思う。 夕方まで、ならかけよう。 携帯番号へかけた。 「…」 「航先輩、今日ありがとう。」 「いきなり倒れそうになるなよ。」 「予期... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 16

    日曜、まさかの、寝坊したことで すごくあせり、syuの待つ駅の 改札まで、急いだ。 何で⁈ 来ていない、syuは1時間過ぎて も来ない。 すると、ある事に気付いた。 今日は、まだ土曜日なんだ。 気が抜けて、目眩がした。 後ろから、腰が、バックパック が支えられる。 tiねこさん、1人であぶないよ。... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 15

    金曜日にsyuから 「また駅に迎えにいくよ」 とSNSがきた。 嬉しくて嬉しすぎて おとなしく部屋でいる なんて無理だった。 おもわずコンビニに 足軽にかけていく 自分がいた。 syuと会ったら、まず なんて言おう。動悸が 高鳴る。 コンビニから見える駅の入り口。 あと二日したら、syuに 会える... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 14

    syuと会う前に先輩のことをきちん としておきたかった。 syuに相談しても、きっと同じ答え を返すだろう。。 先輩ともっと仲の良いねこともも いたので、その子にそれとなく 相談してみた。 バイト先に近いこと、テスト中とは いえ先輩に偶然会えるなんて、羨ましい と羨望されてしまった。。。 そのねこ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 13

    syuとの約束をして それから考えたことは 先輩のことだった。 ある意味、困ったひとだ。 あのシフォンケーキとカード どうしよう。。悩んでいても 答えは先輩にしか解りえない し、先輩も答えがみつからず 自分へ託したのだろう。 まあ、食べてみよう。と 10センチほどのホールだったので カットして、1... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 12

    久しぶりでお互いの心臓の 音が聞こえるようだった。 あの時いたの、知ってるよ 会いたかったよ。。 でもなかなか 言葉がうまく出てこない 「夏がはじまるね、syu」 syuは、笑って 「それだけなの?」 といい おたがい 「日曜日。。っつ」と いってしまったよね。 syu覚えてるかな。。

  • 日曜日の恋衣 11

    目が覚めると 切り忘れたデスクライト のあかりと SNSがきていた。 syuからだ。 「試験おつかれ。」 とだけ。 多分、寝落ちしたのかな。 と思った。 「久しぶりだね、syu」 と返信しておいた。 空腹なので 何か作ろうと思った。 tiねこは、疲れると 胃がいたくなる胃弱タイプ は昔からで、そん... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 10

    ずっと試験対策してきて いざテストは数行の答えを 記入して、見直すだけだ。 ここにたどり着くのに どれだけの時間がかかった だろうか。 いい点数や成績のときは これ以上できない、はきけが するくらいしたときだけくらい で、自分の凡庸さが実感できる。 けれどもずば抜けて良い成績の 教科は、たいてい努... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 9

    よく昨夜は思いとどまれた ものだなと我ながら想う。 先輩とシフォンケーキと の関係とメッセージを書いた 人のことは気になったけど。 連絡はしなかった。 カードはしまい ケーキは小分けにして 冷凍保存した。 ひとの思いのこめられて いるものは大切にした。 syuのことを思うと 今はきちんと試験を終え... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 8

    そして先輩とのトレードも終え また会うときは、まともな服で いてみてとアドバイスされた。 そんなのどーでも、いいのだ。 単位を取得し、レポートを提出 して乗り切る、これこそが試験 の醍醐味なのだから。 下宿の部屋につき、シフォンケーキ の箱を開けようと紙袋から取り出すと メッセージが、コトンと足元... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 7

    先輩はとても素敵なひとだけど さっきみたsyuのあくびが 忘れられなくて、自分も不眠 不休なのを思い出す。 「先輩、せっかくのものだから、好きな 人にあげたら」と口走ってしまっていた。 「。。」 なんとなく気まずくなったので ti「じゃあ、トレードしましょう」 「その袋から?」 ti「私セレクショ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 6

    なるべく振り向かずに下宿まで歩いた。syuが来ていたこと、予感すら、予想すらせずにいた。 そんな時、tiねこさん?と 声が聞こえた。 ふと、見上げる。瞬間、顔が赤面してしまった。せ、せんぱい。。だ。 この先輩はsyuと同じ大学の別の学部の3年生で下宿近くでアルバイトをしているとのちに知った。 少し... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 5

    その日も夕方にコンビニに でかけた。昨夜も徹夜でレポート 三昧。目が赤くなる。いつものコンビニ 用の眼鏡と帽子。結んで髪を押し込む。 ジャージもきっちり首までジップして でかけた。あれっと思う。窓越しに、馴染み あるsyuの姿があった。syuだ。入ってきて すっとすれ違う。。。気づいて、ない?とあ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 4

    試験が始まると 部屋にこもりきりで レポートを作ることに なる。必要な文献を調べ たりと、大学の図書館で は本をもっていったりき たりして、汗をかくこと がある。自分なりに時間 組はして、机にはSEIKO のコンパクトな時計をおいて だらだらしないようにしていた。 たまに煮詰まると、近所のコンビニ... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 3

    やっと受験を終えても大学 でも試験はあるし、とても 難しくなる。コミュニケーション など日ごろからメモしておいて いるねこ友が頼りだ。 試験期間はたいてい6月後半 からレポート提出が始まり 試験は7月中旬位までなので その期間は、syuとは時間が空いた ときだけほんの少し電話していた。 近くで会う... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 2

    大学は、セメスター制度と単位 取得が命だ。その次に、部活 サークル、そして恋愛。。 帰国子女のsyuと恋愛二の次 な自分。3年間楽しかったという ことと、syuも自分も少し残酷 だったと、今は思っている。 お互いまだ幼くて、人の気持ち を考える余裕なんてなかったと 思う。それでも一緒にいたそんな ... 続きをみる

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  • 日曜日の恋衣 1

    syuは日曜日にいつも最寄駅まで迎えに 来てくれて出かけた。 やっと会えたという感覚が、お互い 1週間ごとに 新鮮で、会う度はじける気持ちになった。 色んな街が東京にはあって、行く場所 に困ることはなかった。 時間は、日曜日は、とても早く過ぎてし まうものだなと思うくらいとても心地いい 時間だった... 続きをみる

  • 日曜日の恋衣 はじまりは

    日曜日になると 少し早起きして 自分の部屋を掃除した それから身支度 時計を忘れずに 地下鉄の駅の改札で 何時ものように待ってくれている syuの存在が会うたびに、ホッと した。syuはどうだったのかな。。。 自分の居場所になっていった。 お互い学生なので 遠出も、毎日をこわすことも 出来なかった... 続きをみる

  • 仔猫のtimoです

    このブログにお引越ししました。 恋愛小説を連載していきます。 どうぞ よろしくお願いします。