日曜日の恋衣 

青春期にあった恋愛のお話し
恋愛小説のブログです。
非現実の世界で生きるねこの
おはなし

日曜日の恋衣 5-3

博己が生まれて君にはとても感謝しきれなかった。
そんなに強くもない体で必死についてきてくれたんだ。


君の作るものはなんでも美味しかったし、仕事も
人生も充実していた。君と博己のことを考えて
渉外から本社に願いを出したのも後悔はしてはいなかった
が。。。僕にはやはり世界を飛び回り自分の持っている力で
何かをつかみ取り、部品を手に入れて、そして開発する
そういういわゆる技術人生が捨てきれないのだ。可能な
限り、世界を駆け回り自分の納得する仕事と情熱
を絶やしたくはないのだ。


君には航先輩のように、人の命に真摯に向きあい
そして学術的な冷静なそういう人生に寄り添う方が
似合っているのさ。君はわからないことも受け入れられる
強さのある人だから。それは僕が一番知っていることだ。
僕がサンディエゴに行くことで、きっと航先輩も君を
君の心を取り戻すことを考えると思うのだ。。


僕と君の子供の博己は、とても不憫に思う。だが、先輩と君の
ことだ、優しく強い立派な大人にしてくれるはずだ。裕福ですら
あるだろう。僕も影から博己を支えていきたい。


だから、あの時、君の家の前で、幸せになれよっていったんだ。
これが最後だと思っていたんだが。。
人を好きになることは、意外と儚いものだな。
君は、そういえばあの夏も
「航先輩が、好きかもしれない、が自分ではわからない」と
言っていたな。。
これは僕の負けなのか。。。